定年退職後の過ごし方とは?ボランティア活動で見つかる「生きがい」

定年退職後は自由に使える時間が増える一方で、何をすればいいか分からなくて物足りなさを感じていませんか?
老後の「やりがい」や「生きがい」を求めて、ボランティア活動を始めたいと考えている方も多いのではないでしょうか。

そこでこの記事では、定年退職後のボランティア活動について、その特色とメリット・おすすめのボランティア活動を紹介します。
ぜひこの記事を参考に、充実したセカンドライフを手に入れてください。

60代・70代の定年退職後の過ごし方は「ボランティア活動」

東京都は、2021年3月に「『高齢期における地域活動等の意向』について」というアンケートをまとめました。
それによると、「ご自身の定年退職後をどのように送りたいと考えていますか」という質問に対し、「地域活動、社会貢献のための活動(ボランティア)」と答えた人は、60代で52.6%、70代では72.9%にも及びました。

また、ボランティア活動等について「積極的に参加したい」または「ある程度参加したい」と回答した人の割合は、60代で77.6%、70代で87.0%でした。

参考:東京都「高齢期における地域活動等の意向」について

定年退職後の時間の使い方として「ボランティア活動」を選択する人が増えていることが分かります。

シニアボランティアの特色

シニアボランティアの最大の特徴は、仕事などで培った得意分野をボランティアという場でもう一度生かせるということです。

英語が得意な方であれば、JICAのような国際協力活動に参加することも考えられますし元教員という方は学習支援ボランティアなどで活躍することができる可能性があります。

経理や労務など専門的な知識を持っている方が、退職後にボランティアとして活躍しているケースも多いのです。

ボランティアに特別な資格は必要ありませんが、好きな分野や得意分野のある方はご自身の持つスキルに合わせてボランティア活動を探してみるのもおすすめです。

定年退職後にボランティアに参加するメリット

定年退職後にボランティア活動を始めると嬉しい効果も期待できます。
ここでは代表的な3つのメリットを紹介します。

生きがいにつながる

定年退職後は、仕事や子育てを頑張ってきた方々が社会とかかわる機会を一気に失ってしまうケースが多くあります。しかし、ボランティア活動に参加すると新たな役割を持つことになり、役割に応じた業務を任されることになります。仕事を引退して何をしてよいか分からなくなっていた方にとっては、ボランティア活動が新たな居場所になるかもしれません。

ボランティアは、退職前の「利益を追い求める生き方」とは違う「人のための活動」ができるため、今までとは違う価値を実感することができます。

様々な人と交流できる

ともにボランティアを行う仲間や、地域の住民の方々などと交流できるのもボランティア活動のメリットです。年齢を重ねると会社やご近所などとの人付き合いも減っていきます。友人や子どもと会う機会も多くないかもしれません。

ボランティア活動を通して人との交流の場を得ると困ったときに助けを求めることもできますし、孤独死のリスク回避にもつながります。

心身の健康を保てる

ボランティア活動の多くは外に出て身体を動かさないと成り立ちません。シニア世代は家に閉じこもりがちになることも多いですが、ボランティア活動を行うことによって身体能力の衰えを防ぐこともできるのです。特に運動をする習慣のない方は、無理に運動を始めるより、ボランティア活動で自然に身体を動かす方が心身への負担が少なくて済みます。

また、外に出て仲間と一緒にボランティア活動をすることによって家に閉じこもっているよりも会話の機会が増え、認知症やうつ病などを防ぐこともできます。

定年退職後におすすめのボランティア

ここでは、定年退職後のシニア層に特におすすめのボランティア活動を紹介します。

各種講師

趣味や仕事での経験を活かしたい方は、ボランティア講師として活動するのがおすすめです。ボランティア講師は自治体などで公募しています。

仕事でパソコンを使っていた方はパソコン教室、語学に堪能な方は語学教室、料理上手な方は料理教室などで活躍することができる可能性があります。

まちづくりに関するボランティア

長年住んでいる土地に愛着を感じているならお住まいの地域を盛り上げたり、アピールしたりするボランティアもおすすめです。ゴミ拾いをして街を美化する活動が有名ですが、ほかにも自治体のお祭りを運営したり観光案内をしたりするボランティアもあります。

地域ぐるみの子育てボランティアに参加するのもよいでしょう。

介護施設でのボランティア

介護施設で利用者の話し相手になったり、食事の配膳を手伝ったり、レクリエーションのサポートを行ったりするボランティア活動もおすすめです。直接感謝の言葉をもらえることが多いので、やりがいを感じやすいボランティアといえます。

ご自身の介護予防にもつながりますし、将来自分がお世話になるかもしれないスタッフと顔見知りになることもできます。

治験ボランティア

治験ボランティアとは有償で募集されるボランティアです。摂取する薬は国が安全性を確保したもののみなので、安心して臨むことができます。

数万円の高額な報酬をもらえることもあるので、お金をもらいながらボランティアをしたい方におすすめです。

ゆとりある老後を過ごすために

ところで、ボランティアなどを通して生きがいを追求するにはゆとりある生活のための資産が必要になりますよね。
公益財団法人「生命保険文化センター」が行った調査では、夫婦でゆとりある老後を過ごすために必要な生活費は、およそ37.9万円という回答が得られました。

参考:生命保険文化センター「生活保障に関する調査」/2022(令和4)年度

そして、老後の生活資金の基盤となるのは、年金収入。

日本年金機構によると、令和5年度の夫婦2人分の標準的な年金額(厚生年金)は月額224,482円。

参考:日本年金機構「令和5年4月分からの年金額等について」

年金収入(約22万円)だけではゆとりある老後生活資金(約38万円)に月16万円程度不足してしまうのです。快適に老後を過ごすには、支出を見直したり、資産運用を活用したりする方法もありますが、定年退職後も自分のペースで仕事を続けるという生活スタイルもおすすめです。

例えば、現役時代のように週5日毎日8時間働かなくても、週3日だけ勤務したり、朝だけ働いたりという方法が考えられます。
仕事にやりがいを感じることで、定年退職後の生活を心身ともに豊かにすることができるのです。

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