幼稚園バスドライバーは素人でもできる?安全?事故対策は?白ナンバー・緑ナンバーの違いを解説
まずタイトル「幼稚園バスドライバーは素人でもできる?安全なの?」に対する回答からスタートしていきます。
幼稚園バスドライバーは素人でも運転できる
安全・事故防止に係る研修・対策を行っていれば安全
それでは素人とプロの違いについて、資格やバスの種類、事故対策等を詳しく見ていきましょう。
幼稚園バスの求人情報をチェックしている方にも参考になる記事です。
Contents
幼稚園バスドライバーは素人でもできる?安全なの?
「プロドライバー」とは
プロドライバー=2種免許保持者
バスやタクシーのように旅客から運賃をもらって運行する際に必要になる免許です。
ナンバープレートが緑の車両を運転するときは基本的に2種免許が必要になります。
2種免許保持者だからといって車の運転が上手、事故を絶対に起こさないという訳ではありませんが少なからず「プロ」として意識をしているドライバーが多いことは事実です。
バスのナンバープレートの色について
大きく分けて「白ナンバー」と「緑ナンバー」の2種類があります。
旅客から運賃をもらって運行する際に必要なナンバープレートが「緑ナンバー」
街で走っている路線バスやバスツアーに参加したときのバスは基本的に緑ナンバーです。
「白ナンバー」は自家用車であり、乗車する人は旅客の扱いではなくなります。
私たちが普段から乗っている普通車と何ら変わらない乗り物という訳です。
幼稚園バスの大半は「白ナンバー」なぜ?
白ナンバーの方が圧倒的に費用が安いから
緑ナンバーの2分の1以下でバス・運転手を維持することができます。
様々な幼稚園にそれぞれ意見がありますが大半はこの理由。
幼稚園側も固定費を下げて利益を出さなければ園は存続できないので削れるところは削る。
ビジネスとして当然ではあります。
白ナンバーのスクールバス(幼稚園バスを含む)は「自家用有償旅客運送」に登録しています。
こちらは緑ナンバーによるサービス提供が困難な場合に登録できる行政のサービスです。
固定費を下げて園を存続させることはビジネスとして必要ですよね。
それでは安全面から見る「白ナンバー」と「緑ナンバー」はどう違うんですか?」
違いをまとめましたのでご覧ください。
安全面の違い「白ナンバー」と「緑ナンバー」
点検・健康管理・事故対策
白ナンバー | 緑ナンバー | |
点呼 | △ 任意 | 〇 あり |
アルコールチェック | △ 法改正あり | 〇 あり |
運行管理者の有無 | × 無し | 〇 あり |
事故対策研修 | △ 任意 | 〇 あり |
適性診断 | △ 任意 | 〇 あり |
白ナンバーは任意とされている項目が多いですね。
まず、、、運行管理者ってなんですか?
運行管理者は事業用自動車の安全運行を管理するスペシャリスト
運行管理者は、道路運送法及び貨物自動車運送事業法に基づき、事業用自動車の運転者の乗務割の作成、休憩・睡眠施設の保守管理、運転者の指導監督、点呼による運転者の疲労・健康状態等の把握や安全運行の指示等、事業用自動車の運行の安全を確保するための業務を行います。
(※国土交通省HPから引用 https://www.mlit.go.jp/about/file000064.html)
運転手さん任せにせず、運行管理者が安全に運行できるよう運転手さんを管理するんですね!
そうなんです。バス会社(緑ナンバー)の場合、運行管理者が運転手の代わりにスケジュールを調整したり、細かく運行指示を出したりします。そのため運転手は運転することに集中することができます。
また乗務の始まる前と終わった後に点呼とアルコールチェックを必ず行います。
点呼とは具体的に何をするんですか?
点呼とは、運転手と運行管理者が安全に運行できる状態かどうかを対面で報告・確認し運行指示を出すことであり、点呼は本当に大切な時間なのです。
運行管理者は運転手の体温を測り、睡眠時間を確認し、風邪の症状がないか・顔色が悪くないかを乗務毎に確認。
運転手からは「昨日の運行はこうで、こんなことがあった」といった運転に関する報告や小さな愚痴なども聞いてあげるのです。安全に運行できるために最大のサポートを行うことが運行管理者の仕事です。
白ナンバーの場合は運行管理者はいないんですか?
正確に言うと白ナンバーなので運行管理者は「必要ない」です。
幼稚園バス運転手を管理している部署又は担当者が幼稚園にいることが多く、その担当者の任意となります。幼稚園の規模によっても変わってきますので一概には言えませんが。
それぞれの幼稚園によって運転する前のチェック体制は異なります。
幼稚園側から運転手さんに対してどのようなチェック体制を取っているか聞いてみたいですね。
事故対策の研修とは
事故対策の研修も白ナンバーは任意なんです。
緑ナンバーの場合は毎月、安全運転に係る指導及び研修が以下のように実施されています。この研修は監査対象にもなるためバス会社は確実に行う必要があるのです。
・道路交通法の再確認
・異常気象時の対処法
・安全速度、スピード違反の絶無
・積雪、凍結時の運転方法
・危険予測
・事故映像を基に事故を防ぐための研修
自分が運転しているとき、事故現場に遭遇することがありますよね?
はい、たまにあります。
やっぱり衝撃的なので気が引き締まります。
そうなんです。バス会社は技術的・知識的な部分はもちろんのこと、精神的な部分の教育も行っています。事故映像を見てなぜこの事故が起きたのか原因を追究し、対策案を話し合います。
このような研修を毎月行うことで技術的にも精神的にも事故になる可能性を下げています。
運転手の高齢化も問題
高齢ドライバーさんが多いイメージがありますが、なんでですか?
結論としては給料が安いので若い人材が採用しづらい。
最低賃金に近い時給で募集している施設が多いため若い人材が集まりづらい。年金受給者が収入を少し増やすために園バスを運転していることが多いのです。
ただ高齢ドライバーが多い=危険ではありません。事故を防ぐために日頃から対策をとっているかが大切になります。
とはいえ高齢ドライバーの事故が相次いでいますので心配です・・・
バス会社(緑ナンバー)の場合は65歳から自動車事故対策機構の適齢診断を実施しています。
実施会場に設置してある運転シュミレーション機(ゲームセンターの機械のような)で動作の正確さ・注意の配分などを測定。加齢による身体機能の変化の運転行動への影響を認識してもらい、事故の未然防止のために指導及び助言を行っています。その後、高齢運転手と運行管理者が面談し、こういうデータが出たから、こういう改善をしましょうと具体的に話していくのです。
白ナンバーの場合は70歳から一般的なの高齢者講習を受けて免許更新を行います。
(引用:独立行政法人 自動車事故対策機構 https://www.nasva.go.jp/fusegu/tekirei.html)
バス会社(緑ナンバー)がいかに安全運転に対して注力しているかは分かりました。
白ナンバーのバスが不安でしょうがないのですが・・・
さいごに
わたしたち「ドライバーズ転職」では、幼稚園バスドライバーの求人紹介を行っております。
さまざまな施設とのやり取りがあるため、各施設の安全対策を把握しています。
中には第三者からの指摘を受ける機会がない施設もあるため、積極的に安全管理についてお話をして、必要に応じて改善を行っています。
何よりも大事なのは子どものいのちです。
ドライバーの人材紹介を通じて、より安全に運行ができるよう注視していきたいと思います。
現在幼稚園バスの運転手をしています。
ここに書かれている事はその通りで、出来る事ならば2種免許所持者が運行した方が安全でしょう。
特に幼稚園バスの場合は先生1人に対して多ければ20人程の園児を乗せて走ります。
1人が椅子から降りて歩き出すという事は良くある事です。
そうすると先生はその園児の対応に追われるので他の園児にアクシデントがあるとそこまで手が回りません。
幼稚園バスの運転手は事故なく園に戻るという事も大前提ですが、運行中に子供達がガラスに頭を打たないか、椅子から落ちないか、など常に車内の様子を確認しながら運転をするので、トラックを運転するよりもかなり神経を使います。
本当は運行管理者がいて、その日その日を管理していただく方が運転に集中できるのですが、幼稚園にはそういった方は居ないので、運転を仕事にした事がない方の支持に従う事になります。
普通免許で運転をしている方からすると、ただ人を乗せて帰ってくるだけ、運転しているだけと思われがちですが自分の車でマンホールを気にしながら走る事も、法定速度よりマイナス5キロを意識する事もないと思います。カーブを曲がれればいいわけではなく、ぶつからなければいいわけでもなく、車の中に遠心力が加わらないように運転するのは本当に大変です。
だけどそれを説明する事もないのでただ運転しているだけと言われてしまいます。
寂しい気持ちになります。
皆さんの子供を安全に送り届けようと頑張っているのですが、保護者の方と話す機会もあまりありませんので理解はしてもらえない事の方が多いと思います。
幼稚園の理事長先生がまず、人を乗せるにはどう言った知識が必要で、運転手にどのくらいの負荷がかかるのかを理解してしていくだけで、しっかりとした研修が現実化していくのでは?と思っています。
委託の運転手の会社にも所属していた事もありますが、運転手不足もあり定年自体が引き上げられているのも現実です。
幼稚園が委託の運転手に丸投げをするのではなく、しっかりとした教育をした上で、また若い方でも働いて生活ができる程度の賃金を新たに設けて,運転手自体の世代交代をしていく必要もあるのでは?と考えます。
その時に1種なのか、2種なのかという問題を考えていく必要があると思います。
行政が決めた事であれば、1種で運行が可能な幼稚園バスのグレーゾーンはなかなかなくならないと思うので、せめてしっかりとした研修制度を取り入れるなりするべきではと思います。
年齢の事わ懸念される方も多いと思いますが、年金を貰ってる方のプラスアルファくらいの給与なので働き盛りの人は難しいと思います。
給与を上げるには運転手の仕事プラス幼稚園での仕事をする事によってある程度までは上げられるのではとも考えますが、やっぱりその幼稚園自体の裁量もあると思うので難しいところだと思います。
ただ1番大切なのは、どの免許を持っているかとか年齢ではなくいかに安全に送り届けようとするかという運転手自身の思いや考え方なのでは?と思っています。
ゆっくり走っているので、普通車には良く煽られるし、譲ると遅いので譲ってもらえなかったりと以外と大変な職業だと思います。
運転手も人なので、精神的に追い込まれると事故に繋がりやすくなってしまうので、笑顔で対応している人には軽く会釈くらいはしてもらえたらなと考えます。
アサヒ総研の金井と申します。
現場での貴重なご意見をいただき誠にありがとうございます。
安全運転についてはもちろんのこと、バス車内での子どもたちの様子を確認しながら運転していくプロフェッショナルな状況を伺うことができ嬉しく思います。
ご指摘の通りで、幼稚園バスを管理する責任者の方次第だと思います。
園長先生が添乗員とは別に、たまに同乗している幼稚園もあれば、ドライバーが足りないから園長先生自らが乗り、慣れない運転をしている幼稚園もあります。
ニュースになっている保育園バスは、まさに当てはまります。
この記事は白ナンバーのドライバーさんを否定するものではなく、バス会社のような安全指導ができる幼稚園が増えればいいなと思って作成しました。
何よりも園児が安全に楽しく登園できることが1番だと思っています。